障害をお持ちの方の就労支援についてのお話
障がいをお持ちになる方が就労することは、珍しくなくなった昨今です。
令和6年4月より施行となる障がい者の雇用の促進等に関する法律の改正は、障がい者雇用の進展のため、
障がい者が活躍できる機会の確保など、雇用の質の向上に力を入れていくことに重点をおく改正がされま
した。
今後、ますます障がいをお持ちの方の雇用機会が増えていくことが予想されます。
障がいをお持ちになる方が就労を希望された場合、国からどのような就労支援があるのか、
具体的な支援についてご案内させて頂きます。
障がい者に対する就労支援
障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスには、
1.就労移行支援、
2.就労継続支援A型、
3.就労継続支援B型、
4.就労定着支援
の4種類のサービスがあります。
1.就労移行支援
(対象者)
➀企業等への就労を希望する者
②技術を習得し、在宅で就労・起業を希望する者 等
一般就労等を希望し、知識・能力の向上、実習、職場探し等を通じ、適性に合った職場への就労等が見込まれる者(65歳未満の者)が対象です。
【主なサービス内容】
○ 一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援
○ 通所によるサービスを原則としつつ、個別支援計画の進捗状況に応じ、職場訪問等によるサービスを組み合わせた支援。
流れとして
➀ 就労に向け個別に支援計画を立てます
② 職業のルールやマナー、挨拶、身なり等の習得を訓練します。
③ 施設内で実習を行い、職場見学や、実際に職場実習を行うサポートします。
④ 求職活動、トライアル雇用など就職活動をサポートします。
⑤ 一般企業等へ就職 !
※こちらの制度の利用期間は2年です。
2.就労継続支援A型(雇用型)
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。
※働きながら就労に必要な知識や能力の向上に向けたトレーニングを受け、一般就労を目指すサービスです。
(対象者)
就労機会の提供を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上を図ることにより、雇用契約に基づく就労可能な障害者(利用開始時、65歳未満の者)
➀「雇用契約」を締結し、働きます。※労働者として雇用されます。
②労働関係法令の適用あります。(健康保険や厚生年金)
③最低賃金 原則適用あります。(ただし各都道府県労働局長による減額特例の許可を受けた場合を除く)
④利用期間の定めなしです
3.就労継続支援B型(非雇用型)
一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。
(対象者)
就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動 にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される障害者
A 企業等や就労継続支援事業(A型)での就労経験がある者であって、年齢や体力の面で雇用されることが困難となった者
B 50歳に達している者または障害基礎年金1級受給者
C A及びBに該当しない者であって、就労移行支援事業者によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者
➀「雇用契約」を締結しません。(労働者としての位置づけではありません)
②労働関係法令の適用はありません。
③賃金ではなく「工賃」で支払われます。※作業工賃
④利用期間の定めなしです
4.就労定着支援
就労移行支援等を利用して、一般企業に新たに雇用された障害者に対し、雇用に伴う生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言等の必要な支援を行います。
(対象者)
就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練の利用を経て一般就労へ移行した障害者で、就労に伴う環境変化により日常生活又は社会生活上の課題が生じている者であって、一般就労後6月を経過した方
例えば
・遅刻や欠勤の増加 ・業務中の居眠り ・身だしなみの乱れ ・薬の飲み忘れ
・給料の浪費
・仕事でミスが続く・会社の上司や同僚などの人間関係がうまくいかない・・・
などです。
(サービス内容)
■障害者との相談を通じて日常生活面及び社会生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との 連絡調整やそれに伴う課題解決に向けて必要となる支援を実施
■利用者の自宅・企業等を訪問することにより、月1回以上は障害者との対面相当の支援
■月1回以上は企業訪問を行うよう努める
就職後の障がい者が長く働くことが出来るようなサポート体制が充実していますね。
■利用期間は3年間(経過後は必要に応じて、就労支援等の関係機関等へ引き継ぐ
就労系障害福祉サービスの概要[258KB]
障がい者の雇用の質の向上に力を入れていくことが今後ますます重要になってくると思います。
就労に際してのお困りごとはご本人とご家族だけで抱え込まないで様々なサポート機関を利用することは
覚えておいて頂ければと思います。
就労支援で働きながら障害年金も併せて受給していくことも可能です。
働くことは、社会と繋がっていくこと・・・。
必要な方に方に届いてくれるといいなと思いながら書きました。
ご拝読ありがとうございました。